2015年01月10日

ソーシャルゲームのアニメ化における描写の違い

2014年10月期〜2015年1月期にかけてソーシャルゲーム原作のアニメが多数放映されている。
自分が視聴したのは以下の4本。
 2014年10月期:ガールフレンド(仮)(以下ガルフレ)、神撃のバハムートGENESIS(以下バハジェネ)
 2015年1月期:アイドルマスター シンデレラガールズ(以下デレマス)、艦隊これくしょん(以下艦これ)
『艦これ』は個人的にブラウザゲームとして見ている面もあるが、ソーシャルゲームとしてカウントされていることが多いのでソーシャルゲーム原作のアニメとしておく。

まず『ガルフレ』。
Amebaで配信されている原作はプレイヤーが彼女候補となる沢山の女性キャラと親交を深めていくゲームである。
ゲーム内イベントは劇画調のおっさんボスを倒すものなど。
アニメは主人公の存在は全く匂わせず、主要な女性キャラクターを中心に話が展開していくストーリーだった。
男性キャラは生徒会役員のモブやキャラクターの肉親程度のもの。
プレイヤーがアニメに登場せず、原作のゲームとしての要素がほぼ前面に出てこない描写は、ソーシャルゲーム原作アニメの先輩である『戦国コレクション』に近いものがあった。

続いて『バハジェネ』。
mobageで配信されている原作『神撃のバハムート』は騎士様であるプレイヤーが人・神・魔の様々なキャラクターと共に、ミスタルシアに降りかかる様々な困難に立ち向かうストーリーイベントがメインとなっている。
初期は王道ファンタジー路線のイベントが多かったが、ここ最近は求職イベントや歌姫オーディションイベントのようなタガが外れたものも開催されている。
アニメは原作ゲームに登場しないキャラを主軸にし、原作に登場するキャラクターを登場させつつ王道ファンタジーを描ききるという手法を見せてくれた。
原作付きのアニメでオリキャラをメインに描くというのは反発を招き易い手法だが、それを捻じ伏せる洋画のような迫力とキャラクターの演技・描写を最後まで見せてくれた。
またソーシャルゲームげ原作であるということが比較的受け入れ易い土壌を作ってくれていたように思う。
ソーシャルゲームには主軸となるメインシナリオが存在しないケースが多々見られる。
イベントを通して1本の話を描くゲームもあるが、『神撃のバハムート』はイベントごとに騎士様であるプレイヤーが様々なシナリオを体験していく形だ。
サービス開始からの長い年月もあり、イベントストーリーは多岐に渡っている。
故に、アニメ化の際に新たに描かれるストーリーが生まれても良いのだ。
物語の途中でファバロ、カイザルに騎士の位が与えられていたのはファバロ、カイザル、アーミラ、リタのオリキャラ4名がプレイヤーの分身である騎士様に当たるものだったからなのではないかと考えられる。

以上2本は既に全話放映が終わっている。
残る2本は現時点では1話が放映されただけである。

『艦これ』の原作はDMM.comでサ−ビスが配信されており、プレイヤーは提督となり艦娘を育成し様々な海域を攻略していく。
地の文が存在しないゲームなので明確なストーリーは無いが、出撃海域や第2次大戦時の歴史というバックボーンがあるため想像の余地は幾らでもある。
アニメは人類側が危機に瀕しており艦娘の存在によりようやく反撃できるという舞台設定と、提督は存在するが画面上では描写されない、という原作の要素をほぼ映像上に描ききったのではないかと感じている。
メディアミックス展開の際に一番のネックとなるのが提督だ。
原作における提督=プレイヤーなのでプレイヤーの数だけ提督像が存在する。
画面上は登場しないが存在はする、というのは『ガルフレ』とは違った切り口で面白い。
『逃げ』とも取れる描写ではあるが、提督を画面に出さないということは提督の描写の尺を艦娘自身の内面描写や戦闘シーンに割けるということだ。
艤装を外した状態の艦娘、宿舎などの建物の描写、発進シーンや秘書艦の描写など、影響力の強いアニメというメディアミックス展開において、艦これアニメの描写は最大公約数のようなものであったと感じる。

最後に『デレマス』
原作はmobagedで配信中のアイドルプロデュースゲーム。
プレイヤーはプロデューサー(以下P)となり、200人近くのアイドルをスカウトし、育てていくことなる。
システムはほぼ『神撃のバハムート』と同じだが、明確なメインストーリーは無い。
イベントはピックアップされたアイドルがこういったテレビ番組に出ている、というようなシチュエーションが多い。
タイトルの通り『アイドルマスター(以下アイマス)』シリーズの一つであり、『アイマス』のメディアミックス展開でネックとなるのが、やはり原作でのプレイヤー自身であるPの存在である。
『アイマス』シリーズは漫画やドラマCDのメディアミックス展開が多く、様々なPが生まれてきた。
前例の一つとして、2011年7月から放映されたアニメ『アイドルマスター』(以下アニマス)は1話放映まで赤羽根氏演じるP(通称バネP)の情報をシャットアウトしており、1話の最後にバネPがPとして画面上に登場する、という展開だった。
今回の『デレマス』アニメにおいても同様にPの情報が公開されずに1話を迎えることとなっていた。(関係者のインタビューでPが存在するであろうことは匂わされていたが)
実際に1話を見てみると比較的早い段階から強面で不器用そうなP(武内P)が登場することとなる。
『デレマス』のPはゲーム中ではキュート、クール、パッションの3属性から選択する要素があったり、200人弱のアイドルをスカウト、プロデュースしていることから様々なP像が生まれてきた。
1人のPが全員プロデュースしている、属性ごとに3人のPがいる、などなど。
蓋を開けてみると、あの武内Pである。
彼の不器用っぽさと根気の強さは看護師や警察官のスカウトもしそうだし、関係者立ち入り禁止区域の競泳水着姿の女の子をスカウトしそうだ、と不思議と納得させてくれるのだ。
実際のアニメの描写では全てのアイドルが346プロに所属しているわけではなさそうだったが、それでも影響力の強いアニメで『それっぽい』『納得ができる』Pが生まれたことが重要なのである。
つまるところ『デレマス』はデリケートな部分であるPをあえて真正面から描写しているのである。
『アイマス』は原作ゲームではアイドルと共にPも成長していく。
アイドルはアイドルランク、プロデューサーはプロデューサーランクが設けられているのである。
『アニマス』のバネPも最初は頼りないPでダブルブッキングをやらかしてしまう、といった描写もあったが、後半では頼もしいPとして成長していった。
この武内Pもアイドルと共に成長する描写があるのではないか、という何かが1話から感じ取れた。

以上、4作品。
『ガルフレ』は主人公(プレイヤー)の存在が無かったことになっている。
『バハジェネ』は騎士様(プレイヤー)は存在していないが、そのポジションがファバロ達に割り当てられている。
『艦これ』は提督(プレイヤー)が存在しているが画面には登場しない。
『デレマス』はプロデューサー(プレイヤー)が存在していて画面にも登場する。
全て原作においてプレイヤーの描写が明確にされていない作品だったが、4作品とも切り口が異なっているのは面白い。
長々と書いてきたけれども、一番言いたかったのはこの部分。
今後もソーシャルゲーム原作のアニメは生まれそうだが、それがどういった描写になるのか楽しみである。
posted by 彩華 at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記